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堀日記

◆2009年7月11日(土)
【文化祭クラス演劇 脚本候補A『有楽町線とわたし』】
どうも。


先日自信作『コウノトリ』で、
大バッシングを受けた堀です。


まあ、内容が内容だっただけに
こんな事態も予想していましたよ。

だったらあんなん書くな。
との突っ込みは受け付けません。


だってパッと浮かんだ物語だったんだもん。



来年はコウノトリを
絶対に押し通すぞー!


さて、そろそろ本題に入りましょう。



設定

有楽町線を使って、新木場から
池袋まで通学するミサトは、
父親が経営する極真空手道場の一人娘。

幼い頃から、頑固な父の元、
空手の英才教育を受けたうえ、
男だらけの弟子達に囲まれて育ったため
性格も男勝りこの上ない。
あるとき、そんな自分に嫌気がさして…




↓↓これより本文


二人きりの、朝の食卓に怒号が飛び交う。



『ミサトー!何だそのちゃらちゃらした格好は!』


まただ。父は、いつも支配的だ。
わたしから自由を奪おうとする。
空手に縛られる青春なんてもう嫌。



『ミサトー!聞いているのか!』


私だって普通の女の子になりたい。
おしゃれもしたいし、
友達とも遊びたい。
それに…素敵な人と…恋なんかも…

『ミサっ…』
『うるさい!』

父の言葉を遮る。



しばらくの沈黙。


互いに睨み合う。



口を開いたのはミサトの方だった。

『…私、空手やめる。』

『なに?もう一回言って見ろ!』

『何度でも言ってやる!空手なんてやってらんないの!』

『バカな事を言うんじゃない!
お前がやめたら、誰が四代続く
この“新木場りんかい道場”を継ぐんだ!?』

『わたしには関係ないわよそんな事!』


『だいたいなー、子供の頃から
空手ばっかしてきたお前に今更、
何ができるって言うんだ!
お前には空手しかな…』





そう言い終わらない内にミサトの拳は
目にも止まらぬスピードで


『お父さんの馬鹿!』バキッッ


父の左頬を打ち砕いた。

そしてすぐに家をとび出した。




薄れ行く意識の中、父は思った。




『見事な突きだ…やはりお前には
空手しか………ぐはっ…!』


父は床に崩れ落ちた。










数十分後、ミサトは学校に向かって
新木場から池袋方面の有楽町線に乗り込んで、
現在、辰巳と豊洲の中間辺りだ。

まだあまり混んではいない。
“彼女”の周りだけは。

『まったく…あのクソ親父…』


なんて台詞を可憐な女子高生が呟いているのだから
それはかなり近寄りがたい。

もっとも、ミサトはそんな事には
まったく気づいていないのだが。



しかし、そんな彼女の結界もここで終わる。



『豊洲〜豊洲〜』



さすが高層マンションの街。

見るからにやり手なサラリーマンや
育ちのよさそうな学生などが
何人も乗車してきた。



徐々にきつくなる車内。
隣の人に、荷物が当るぐらいだろうか。



そのとき、一瞬電車が大きく揺れ、
隣にいた男が、激しくミサトにぶつかった。


『あ、すいません』即座に謝罪する男。

『ちっ』
舌打ちをし、その男をにらみつけようと
顔を上げるミサト。




その時、ミサトの全身に電流が走った。



かっこいい…



申し訳なさそうに、自分を見る彼の
整った顔から目が離せない。


胸の鼓動が速くなる。




こんな事は経験したことが無い。




『…あの〜…大丈夫ですか?』

その言葉にようやく我を取り戻すミサト。

『き…気をつけなさいよ!』

そっぽを向いて言った。

怒っているからではない。
赤い顔を見られぬために。


その様子を見て、
怒っていると勘違いした彼は『すいません…』とまた謝った。



そこで会話が終わった。


数分後、未だに鳴り止まぬ胸の鼓動。

気付けば電車は、銀座一丁目に至っていた。


電車はもはや、完璧な満員状態。


例の彼は未だにミサトの右隣。
ときどき電車の揺れに合わせて
体がぶつかるその度に、
ミサトは意識してしまう。


『この感覚…これが…恋なの?』



そんな思考をめぐらせていたらふと、
ふとももの辺りを触られた気がした。




『えっ?』


二度、三度と執拗に撫で回す。



『これって………チカン?!』



その結論に至り、手の伸びてる先を
辿って見ると…



左隣のサラリーマン風の男が、
ニタニタといやらしい笑みを浮かべている。



『何コイツ!?』

鋭い眼光で睨み付けるミサト。



しかし男はやめるどころか
更に執拗に触ってくる。

『気持ち悪い!やめて!それ以上触ったら…』

そう意を決し、拳を振り上げようとした瞬間…



ぱっとその手が離れた。



『この人チカンです!』



見ると、さきほどの高校生が、
チカンの腕を掴まえて、
高く、掲げ挙げているではないか。





ざわめく車内。

男は完璧に焦っている。

『な…何を言ってるんだキミは!』

『うるさい!この人のお尻こうやって触っていたじゃないですか!』


そういって、ミサトのほうを指差す。

ミサトは一瞬の出来事に
唖然としている。

サラリーマンはなおも弁解を続ける。

『わ…わたしが触ったと言うならば、
誰か他に見た人がいるはずだ!聞いてみなさい!』


『あぁ。やってやりますよ。』


『この中で、見た人他にいますよね?』

車両全体に呼びかけた。





しかし、『……』



静まる車内。

『うそだ!みんな見てたはずだ!』



しかし誰も答えない。


すると今度はサラリーマンの方から、

『当然だ。無実なのだから。
キミ、のおかげで恥をかいたよ。』

『嘘をつくな!』


するとサラリーマンは、
やれやれといった具合に溜息を吐き、

『キミ、次の駅で降りなさい。
礼儀ってモンを教えてやる。』


『えぇ、行きますよ。』


その瞬間、電車は減速しはじめた。


『さて…降りなさい。』

出て行く二人の男の後を、
ミサトは尾行した。




二人は駅のホームの人気の無いところに行き、闘い始めた。



しかし、強い。

このリーマンメチャクチャ強い。



『オラオラどーした?
言い忘れたが俺は、もとボクサーだ。』


いたぶられながら、高校生は、
じょじょにサンドバッグ状態に

なっていった。




そして、とどめの一撃を、
倒れている高校生の顔面に
振り落とそうとした瞬間



その拳は止められた。

『?』



『やめなさいよ…』




ミサトは男の拳を素手で
掴んで止めていた。




『なんだねーちゃん!? 女はひっこんで…』



言いかけたその瞬間、




ヒュンッ







『ひっ…』


ミサトの拳は男の顔面スレスレの所に
寸止めされた。





『もうやめなさいって言ってるのが
わからないの!?』

怒鳴るミサト





そして男は半ばやけくそに


『ナメんじゃねぇぞー!』



殴りかかるも、ミサトに
華麗にかわされ




トドメの蹴りを見舞われ
吹っ飛んだ。






『ふぅ…。』

やれやれと、大きく息をつくミサト



そしてすぐに高校生を気遣い
『大丈夫?』と声をかける。








しかし



『う…うわぁっ!化物だー!』




と、怪我などしてないかのような
スピードで逃げ出して行った。


『親切のつもりだったのに…』







がっくりと肩を落とすミサト














その日の放課後、ミサトは
自宅の道場にいた。








『ぐはぁっ!』

『たわばっ!』

『ひでぶっ!』


次々と倒されていく
屈強な男子道場生。



『歯応えがないわね!
もっと本気で来なさいよ!』




そう言う彼女の表情は
まさに鬼の形相だ。








『ミサトー!やる気になってくれたか!』




父がニコニコして寄ってきた。



『当たり前でしょ!私にはそれしかないんだから!』




『朝、それを言ったら怒ったくせに…』





『ん?なんか言った?』





『いえいえ、なにも…(おー、恐いっ)』









ナレーター
『こうして、彼女の初恋は
幕を閉じたのである。
こんなバイオレンスガールが、
幸せを掴むのはいったい
いつになるのでしょう?

そしてより凶暴化した性格により、
“新木場りんかい道場”は、
地獄と化して行くのであった。』





『ぎゃあー!』












めでたしめでたし。








02:10:08
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